不完全美学
一人でマンション近くの公園に向かう。
夜の公園はとても静かで、昼間に沢山の子供達が遊んでいたなんて思えないくらい。
少し錆びたブランコに腰掛けると、細い音でキィキィと鳴いた。
夜風は少し肌寒い。
あたしは身をすくめる。
時間を潰すために、あたしは今日観た映画を思い出そうとした。
だけど上手く思い出せない。
二枚目のヒーローの顔と、安っぽい台詞をいくつか思い出せた所で考えるのを止めた。
明日はまた凪の所へ行こう。
凪の絵が見たい。