不完全美学

一人でマンション近くの公園に向かう。

夜の公園はとても静かで、昼間に沢山の子供達が遊んでいたなんて思えないくらい。

少し錆びたブランコに腰掛けると、細い音でキィキィと鳴いた。


夜風は少し肌寒い。
あたしは身をすくめる。

時間を潰すために、あたしは今日観た映画を思い出そうとした。

だけど上手く思い出せない。

二枚目のヒーローの顔と、安っぽい台詞をいくつか思い出せた所で考えるのを止めた。


明日はまた凪の所へ行こう。
凪の絵が見たい。
< 76 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop