不完全美学
あたしの身体を上から下まで視線で舐める。
寒気がする。
こんな男と付き合ってるママの気が知れない。
「出て行って」
あたしは少し強めに言い放つ。だけど男はその言葉に眉を寄せた。
「生意気な小娘だな。黙らせてやろうか?」
瞬間、両腕を捕まれたあたしは壁に押し付けられた。
男の汚い息が顔にかかる。
「離して!」
「嫌だね」
男は服の中に手を滑り込ませ、胸を触ってきた。
ぞわりと背筋が震える。
「離せ、変態!!」
渾身の力で、あたしは男を突き飛ばした。