神々の聖戦

「奴らはこのクラスにしか来ていないらしいな。」

「早いとこ片付けようぜ。」

このままじゃ埒が明かない。

倒しても倒しても窓から敵が押し寄せる。

しかし、そのZENO達は極めて弱い…

可笑しいと思わない?

何故このクラスだけが攻撃されているのか。

何故先生は“笑って”いるのか。

ーガンッ

黒板にナイフの刺さる音が鈍く響いた。

『先生、こんな状況でよく笑っていられますね。』

目と鼻の先にある先生の顔はやけに強ばっていて、顔のすぐ横にあるナイフに目をやった。

『先生は右利きじゃないんですよ。それに、今更銃の基礎授業なんて…ね?』

痛いくらいの沈黙…

『どう思う?皆』

教卓の上で私は振り返った。

殺気に満ちた幾つもの目が一点を見ている。

荒い息使いが後ろから聞こえる。

「馬鹿だよねぇ、俺達の血が目当てで教室まで異空間として創造したのに。そのせいで力が殆ど残ってないんでしょ。」

ユンの言葉に図星なのか唾を飲む音が聞こえた。

私達狩人の血はZENOにとって最高の力の源だ。

逆に魔導師の血は彼等にとって毒。

彼等は人間を襲ってその恐怖を糧にするか欲を糧にするか、私達の血肉を糧にするかしなければ生きることは出来ないんだ。

これがある孤独な神が齎した“災厄”

力の強いものでは人間に姿を化けたりできる。

それは、こいつも同じ。

けど力を無駄遣いし過ぎたみたいだ。

「うぅ…うぅぅぅ…」

振り返ると見るも無残なZENOがいる。

ゆっくりじわじわと引き金を引いた。

『さようなら』
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