神々の聖戦
放課後
私はオスカークラス専用の自主鍛錬場にユンとルイス、ルーカスと共に向かった。
テスト期間で勉強のことを優先しているのか他の生徒は見当たらない。
「俺、勉強教えて欲しいんだけど…?」
「しょうがないだろ、ミラとルーカスふたりで行動させるなんてありえない。それに、教科書の内容なら全部暗記してるからルイスが教科書を見ていれば勉強できる。」
「は、はぁ」
「わかったらさっさと教科書開いて。」
衝撃発言に突っ込む暇もなくルイスはぐちゃぐちゃの鞄を漁った。
「じゃあ俺達はレッスンと行きましょうか。」
『えぇ』
お互いに見合って集中する。
ーパラッ
石壁の一部が崩れる音がしたその瞬間、ルーカスが鋭い蹴り繰り出す。
私はその足を腕で制して手首を掴み勢いをつけて背負い投げた。
「痛いな…」
『脇が甘い。それに私が女だって遠慮してる。』
髪を結んで再び構えた。
『私、見下されるのは大っ嫌いなの。』
「…面白い」
ルーカスは立ち上がると地面に片手を付き体全体で回し蹴りを繰り出す。
その動きは先程よりもキレがいい。
でもまだだ
彼は100%はこんなものじゃない。
私はそれを流して更にくる手刀を受け止めた。
『もっと早く、動けるよね。』
挑発するように彼と目を合わせ互いに距離を取る。
「ミラは身のこなしが軽いな、それにしなやかだ……やだねぇユン、目が怖いだろ。」
何故だか殺気を飛ばすユンにルイスは冷や汗を垂らしながら苦笑いを浮かべる。
何をやっているんだか…
今度は私から殴る素振りを見せて屈み、バク転をしながら蹴りをお見舞する。
「…」
流石、顔は避けたようだが手が代わりに傷付いていた。
『次は、顔ね。』
彼は顔に傷が付くのを…自身に傷が付くのを嫌っている。
そろそろ本気を出す…否、出させる。