神々の聖戦
_________________
__________
______

ーグニョ

『なんか…気色悪いわね』

今は筆記テストが終わり、午後の実技テストの最中だ。

二人一組で先生特製の異空間に作ったダンジョンから脱出しなくてはならない。

そして、私は気色の悪いゼリー状の何かを踏んでいて心底胸くそ悪い。

「うぇっなんだよこれっ」

アニーも顔を真っ青にしながら前進していた。

『これに足を取られて体力が削られるわね。』

壁を見て一息つく

『アニー、壁走るよ。』

「そうだな」

勢いよくブニョブニョを蹴って壁を走る。

暫く走っていると何かの呻き声が聞こえた。

『止まって!』

突風が私達をまだまだ続くブニョブニョに落とした。

「っ…このブニョブニョ何処まで続くんだよ…しかもなんかヌメヌメしてるし…」

アニーは何かに気付いたように身を震わせた。

「これ…まさか」

『だとしたら、今すぐにここから離れないといけないわ。』

このブニョブニョヌメヌメの正体は…

「超大型ZENOの舌!!!」

「ヴォオオオオオオオオオオオ!!!」

大きな声に耳を防いだ。

正体を見破られた奴は気をおかしくしたのか舌を揺らす。

安定感のない足場に体制が崩れてしまう。

『大人しく、しなさい!!!!!』

私はレッグシースからナイフを取り出してブニョブニョに突き立て、下から上へナイフを振り上げる。

すると、やつは真っ二つに裂けて砂化した。

ZENOは消滅と同時に砂となるのだ。

ブニョブニョがなくなった地面を見下ろしほっとため息をつく。

「ひとふりでやっちゃったよ……」

『急ごう』

ナイフをしまって大きく地を蹴る。

『…はぁ、誰よこのダンジョンを作ったのは。』

ふたつの分かれ道、しかもその両方からかなり多数の気配が感じられる。

「…同じところに出るのか?」

アニーは目を閉じて頷いた。

『単独行動をするのは危険よ。』

「そうだね、じゃあ行こうか。右は行き止まり、左は先に続いているよ。」

アニーは正義と真実の女神の器

彼女の目にはこのダンジョンの“真実”が見えているらしい。

再び走り出して左の通路を急いだ。

< 30 / 40 >

この作品をシェア

pagetop