神々の聖戦

シャルルとヘブンは跪き、私の手の甲に口付けた。

するとそこに契約の印が刻まれる。

手の甲への口付けは敬愛や尊敬の証だ。

「…時を刻む音が聞こえる。」

ヘブンは心地良さそうに目を瞑った。

「そうだね…これは……ミラ様の持っていた“あの”時計と同じ音。
世界でたった一つの…ミラ様の“心臓”から作った時計。ミラ様が亡くなってからもあらゆる神が探し求めていた“世界時計”。」

「世界時計が止まればすべての時も止まる。それが消えたんだ…もしも悪い神や人間の手に渡れば…とんでもないことになってしまう。
俺達はそれをずっと、誰よりも早く見つけようと必死で…。」

誰よりも忠実な使者達。

私は何時ぶりかの笑顔を浮かべた。

『よくやったね…その時計は私が持ってる。』

そういうと、ふたりはくりくりで大きな目を更に見開いた。

世界時計…それは私の“中”にある。

「まさか……でも、そんな…」

「何処に…?」

私は指を一本、胸に立てた。

『“心臓”』

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