大好きなキミに花束を。
完璧ヒューマン



「ね、放課後二人でイチャイチャしない?」


「光の速さでお断りします。」



今は授業と授業の間の休憩時間。


教室の入口に肘をかけてかっこよく立っているつもりのチャラ男丸出しの目の前の男。



「じゃあ俺のお家でお遊びする?」


「邪魔です迷惑です自分の教室に帰ってください。」



これでも一応私のひとつ上の先輩。

高3の西宮 陽彩先輩だ。



言っとくけどこんなの朝飯前。

この男の言動一つ一つにいちいち反応していたら目が合っただけで妊娠してしまう。



「あっ!陽彩〜。やっと見つけた〜。」


「おっ!ミヤちゃーん。」


「もう!次の授業サボって空き教室行こうって誘ってくれたの陽彩じゃない!」


「ごめんごめん。トイレ行く途中に可愛い子見つけちゃったから話し込んじゃった。」



この通り女の子なら誰でもいいようなクソ野郎だ。


ちなみにミヤちゃんというのは一年生で、ついこないだまで中学生だったとは思えない発言をいくつもしているチャラ男ならぬチャラ女。


入学したての頃は三つ編みにメガネという典型的な地味子だったのに、

周りの友達から可愛いと騒がれるようになって今のようなくるっくるの茶髪にメイクバッチリの有様になってしまった。


かんっぜんに調子乗ってやがる。



< 1 / 169 >

この作品をシェア

pagetop