大好きなキミに花束を。
「……。」
「お前が転校してきてすぐピンと来たんだよ。しばらく様子見てたけどやっぱり近づかせるべきじゃなかったわ。」
「…代々木ちゃんが俺のこと好きになるかもしれないって……焦ってるんですか?」
──バアァァン!!!
そのとき、先輩がものすごい勢いで靴箱を蹴った。
「…こっちの気も知らないで知ったようなこと言うんじゃねぇよ。」
また一段と低くなる声。
「…センパイこういうの知ってます?人は、自分が本当に気にしてることを他人に先に指摘されるとムキになるんです。」
「……。」
「…それって……今のセンパイにすごいピッタリの言葉ですよね。」
空緒くんも表情がすごく挑発的で口角は上がってるけど笑ってない。
声も、さっきの優しい声が嘘のように鋭くて冷たい。