大好きなキミに花束を。




「なっ…!今すぐその手ぇ離せ!彩心に触るな!」


「むりー。夜籠くんがどんなにさらちゃんのこと好きでも、さらちゃんは俺のなんだから。」


「べ、べつに僕は彩心のこと好きとかそんなんじゃ…、」


「そ?ならここは引いてよ。“俺は”さらちゃんのこと大好きだから。」


「っ、」



まぁたくだんないことでギャースカギャースカやってんだから。


聞いてるこっちが疲れてくる。

ていうか……



「先輩、誰と帰るかは私の勝手でしょう?今日は先に夜籠と帰る約束してたんで。」


「なんで?さらちゃんは俺のものなんだから俺が決めたって別にいいよね?」


「基本的人権の損害ですよ。」


「俺とさらちゃん合わせて1人の人間として考えるから基本的人権の損害ではないよー。」


「気持ち悪いです。」


「ははっ。俺もそう思うー。」



話にならねぇ。



「ってことでさらちゃんは俺と帰るからー。じゃあね、おチビちゃん。」


「あっ!ちょっとっ…。」




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