大好きなキミに花束を。
*
あれからどのくらい時間が経っただろう。
気づくと私は、病院にいた。
お母さんも隣にいた。
だけどお母さんは、私の手を力いっぱい握りしめて、顔がぐちゃぐちゃになるくらい、泣いていた。
『ママ…?』
『ふっ……彩心っ……うぅっ……。』
何をそんなに泣いてるの?
その言葉が喉まで出たけど、それから先は、突っかかって出てこなかった。
…目の前のベッドに、お父さんがいる。
私はお母さんの手を振り払ってそのベッドに近づいた。
『パパっ!』
背伸びしてお父さんの顔を見たら、白い布が被せてあった。
なんだろう…これ。
『ねぇママ、パパの顔が見えない。これどかして?』
『彩心っ……パパはねっ……パパはっ……ううっ…。』
『なに?何言ってるのかわからないよ。』