大好きなキミに花束を。



『パパはっ…車にひかれてっ…いなくなっちゃったのよ……っ!』


『…え?』



いなくなった…?


そんなはずがない。



『車になんかひかれてないよ。だって彩心もパパと一緒にいたもん。パパはいなくなってない!』



ありえない。絶対にそんなことない。



『たくさん血がでたのっ…。だから…!』


『ちがう!あの赤いのは血じゃない!!彩心の流した涙が赤かったんだよ!だからあんなに地面が赤色になってたんだよ!!あれはお父さんの血じゃない!!』



“行くに決まってるよ。大事な娘の旅立ちのときだぞ?”



『彩心っ…!ごめん……ごめんねぇっ!』


『ちが……う…!…絶対っ!』



“行かないなんてありえない。パパはずっと彩心の隣にいるんだから。”



『…っ……いやだっ……!』



“……早く見たいなぁ。彩心のお嫁さんの姿。”



『…うわあああああぁぁぁ!!!』







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