大好きなキミに花束を。



仕方なく、私は屋上への階段をのぼる。



これから先輩の教室行って一緒に回る約束なのに…。



いったい屋上に何があるってんだ。



──ギィィ



重たい屋上のドアを開ると、心地いい風が私の肌に触れた。



わあぁ…!



屋上ってこんなに気持ちよかったっけ。


いつもお弁当食べるときとなんか違う。



ってそんなことより……



「なんにもないじゃん。」



なんだったんだ一体。



「なんにもなくないよ。俺がいるじゃん。」


「わっ!」



いきなり背後から、聞きなれた声がした。



< 160 / 169 >

この作品をシェア

pagetop