大好きなキミに花束を。



「先輩!」


「やほ!さらちゃん。」


「どうしてここにいるんですか?」


「さて、どうしてでしょう。」



先輩はやたらとニコニコしながら答えた。



「さらちゃん。話したいことがあるんだ。聞いてくれる?」


「え、なんですかいきなり。文化祭回る時間なくなっちゃいますよ。」


「いいからこっち来て。」



そのまま先輩は、私の右腕を左手で掴んで、屋上にある落下防止のフェンスまで行くと、

腕を離し、私の方を向いた。


右手を背中に隠しながら。



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