大好きなキミに花束を。
あ……なんだろう。わかる気がする。
理解するものなんてなにもないけど。
なんか、わかる気がする。
「俺さ、今まで本気で好きになった子、いなかったんだ。それまではずっと、本気の恋なんか自分には遠い世界だと思ってた。」
私も。
恋なんか、一生できないんじゃないかって。
「だけどさらちゃんが入学してきて、可愛い子だなぐらいにしか思ってなかったんだけど、
さらちゃんと話すうちに、だんだん、この子いいなって、思うようになって。」
「……。」
「そしたらいつの間にか、俺の好きな子になってた。」
先輩は、いつになく真剣に、そして優しい笑顔で言った。
「さらちゃんと関わっていく間で、楽しいこととか、嬉しいこととか、嫉妬することとか、たくさんあって。この子だけは離したくないなって思った。」
「……っ。」
「だけどいつかさらちゃんが俺から離れていっちゃうんじゃないかって……いつも不安で。今もすごく不安。」
それは私も同じだ。
かっこよくて人気のある先輩は、いつか私に飽きてしまうんじゃないかって。