大好きなキミに花束を。
「ふぅ。やっと着いたな。コンビニのくせに遠いんだよ。」
「………。」
「…?…彩心?」
「え?あ、ああ、そうですね。コンビニのくせに生意気ですよね。」
「だろ?そうだよなー。さっさとジュース買って帰ろうぜ。」
「ついでにお菓子も買っていきましょう。」
「お!そうだな。じゃあ私はジュース選んでくるから彩心はお菓子を頼む。」
「お任せを。」
えっと、何がいいかな。
せっかくだからたくさん買ってちゃおっと。
まずは定番のポテチ。あとは……、
「おっ、いいよねーポテチ。俺も好き。」
「え?」
「でも俺は塩じゃなくてコンソメ派かな。」
「……えっと、どなたですか?」
「おぉ、ごめんごめん。驚かすつもりはなかったんだ。」
べつに驚いてねぇし。
てか誰この人。
イケメンなんだけど。
黒髪で口元のところにちっっちゃいホクロがある。
「俺ね、最近こっちに越してきたばっかなんだ。君とはご近所さんになるのかな。」
「はぁ。」
「さっきちょっと見ちゃったんだけど、西宮って人のお家から出てきたよね。彼氏?」
「いえ、同じ学校の先輩です。」
「へぇ!いいな。先輩と仲がいいなんて。羨ましい。」
「そこまででもないんですけど。」
てかなんだこの人。
ふつうこんなふうに見ず知らずの人に話しかけられる?
「彩心ー!お菓子選んだ………って誰?」
「あ、これはどうもこの子のご近所のものです。一昨日こっちに越してきたばかりで。」
「え?彩心の家ってこのへんなの?」
「あ、言ってませんでしたっけ。西宮先輩の家と近所なんです。」