大好きなキミに花束を。










ガチャ



「ただいまー。」


「お帰り。ずいぶん遅かったね。何かあったの?」


「……いえ、特には。」


「何言ってんだ彩心!ある美男子にナンパされたじゃないか。」


「…ナンパ?」


「全然違います。ただポテチの味が好きだとか好きじゃないだとかそんなことで話しかけられただけです。」


「名前聞かれてたくせに〜。」


「名字を聞かれただけです!名前は師匠が言ったからあの人に伝わっただけです!」


「あだ名まで付けられて、今度挨拶に行くねぇ〜とか言われてたのに?」


「あだ名って……名字に“ちゃん”付けただけじゃないですか。」


「さらちゃん、そんなこと言われたの?」


「べつに…私の家とご近所って言ってたから、ご近所同士の会話ですよ。」


「てことは俺ともご近所……。」


「僕ともご近所だ。」


「さらちゃん、どんな奴だったの?その人。」


「どんな奴って…、人見知りをしなさそうな人。」


「見た目は?」


「黒髪で、顔が整ってるって感じの……あ、あと口元にホクロがあった。」


「…かっこよかった?」


「そうですね。」



あの人は一般的に見たらかっこいいの部類に入るんじゃないかな。




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