大好きなキミに花束を。




side夜籠




……彩心がいない。



もう1時間目始まってるのに。


授業をサボったことのない彩心の姿が見えない。



心配だ。


何かあったんだろうか。



何故かチャイムも放送も流れない1時間目終了の合図とともに、俺はどこ行くのと聞いてきた晴丘 空緒に適当な理由を言って彩心を探しに出た。



彩心が行きそうな場所は……、



…どこだろう。



屋上?

ってそこは昼休みしか開いてないし…。



まったく検討のつかないままとりあえず校内を探し回った。



すると正面からなにやら見たことのある人影が。



「お、クソチビじゃん。」


「…クソ野郎。」


「なんだよこんなとこで。ここ3年の階だよ?」


「わかってるよそんなこと。それより彩心見なかった?」


「さらちゃん?さらちゃんならさっきまで俺と一緒に保健室にいたけど。」




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