大好きなキミに花束を。
「あ!彩心いた……って晴丘 空緒と一緒にいる。」
「は?」
「ちょっ、そんなに窓から身を乗り出さないで。邪魔。」
「……さらちゃん、笑ってるよ。」
この距離でよくもまあ彩心の表情までわかるよな。
さすがストーカー。
「……さらちゃん……あの転校生のこと好きになっちゃうのかな。」
「珍しく焦ってんね。僕のときなんか涼しい顔して余裕そうだったのに。」
「当たり前だろ。」
「何をそんなに心配してるわけ?見てても彩心があいつを好きになるなんてありえないと思うんだけど。」
「さらちゃんが他の男と話してること自体が嫌なんだよ。それに、さらちゃんがあいつを好きになることは可能性としては結構高い。」
「なんで?」
「俺のキャラとあいつのキャラが被ってるから。」
「自覚あったんだ。」
「さらちゃんが俺のこと好きなんだったら同じタイプの男も好きになる可能性があるってことだろ?」
「いや、まだ彩心があんたのこと好きって決まったわけじゃないから。」
「………そうだとしても、あんなベタベタして楽しそうに話してるなんて俺は我慢できない。」