大好きなキミに花束を。



昇降口についてローファーから上履きに履き替える。


3年と2年だから、先輩の靴箱とはちょっと遠い。



「代々木ちゃん。」



そんなことを考えていると、空緒くんが話しかけてきた。



「…空緒くん。おはよ。」


「おはよ。どう?昨日よく眠れた?」


「うん。おかげさまで。」


「そっか。ならよかった。教室まで一緒に行こう。」


「うん……あ、でも西宮先輩も一緒なの。」


「センパイと話したの?」



“大丈夫?”そう言いたげな表情をした空緒くん。


この人は……どこまで優しいんだろう。



「うん。平気だよ。全然大丈夫。」




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