【完】ちょいワル先生と優等生
「はぁぁ…動物の匂いがする…」
「…変わってるね」
大きく息を吸うと、動物園特有の匂いがする。
動物園のパンフレットをもらい、順々に回っていく。
「ライオン!格好いい〜」
「あ、パンダがこっち見ましたよ!」
「うさぎに餌やりですって!」
私は先生なんてそっちのけで写真を撮ったり触ったり…大満喫していた。
「ゆずちゃん」
「はい?」
「あっちでオオカミ見れるって」
おかしい。
ここの動物園にオオカミなんていたの?
パンフレットには書いてないけど…
「こんなところにオオカミが?」
「そう」
大きな建物が1つあるところに連れていかれる。
周りに動物の気配なんてない。
「私のこと、騙しました?」
「いるよ、ここに」
自分を指さす先生。
…先生は人間ですよ?
「わかってないなぁ…」