【完】ちょいワル先生と優等生
「おー茜?どうした」
翌日の放課後。
保健室の中からそんな声が聞こえる。
相手はもちろん、私の従姉妹の茜ちゃん。
お兄ちゃんも、先生も好きだった茜ちゃん。
きっと先生は今でも好きだろう茜ちゃん。
…そっか。連絡取り合えるんだね。
そんなことでいちいち傷付いてしまう。
「今日は帰ろう…」
茜ちゃんと話してる先生なんて見たくなくて、ドアに伸びる手を引っ込める。
「可愛いよ。
やっぱ…うん。好き、なんだ」
なんだ…好きなんじゃん、茜ちゃんのこと。
涙が溢れそうになって慌てて上を向く。
「…でも今はダメなんだよ。
いろいろ話つけなきゃいけない人がいて」
…それってもしかして私のこと?
茜ちゃんと想いが通じ合ったから、身代わりだった私は邪魔になった…とか。
茜ちゃんは自分の家に帰ってしまって、しばらく見ていない。
お兄ちゃんとどうなったのかも知らない。