【完】ちょいワル先生と優等生
第3章
乗り越えた先には
先生と連絡を絶って、しばらく経つ。
物足りない生活。
色のない世界。
味気ない日常。
今までそんなこと感じなかった。
毎日が退屈でつまらないなんて、思ったことなかった。
先生がいないだけで、こうも変わるものなの?
家族や友達と話してても何かが足りない。
……言うなればときめき、のようなもの。
先生はやたらめったら変なことを言ってくるし、してきた。
最近ではそんな先生も好きで、ずっとドキドキして…楽しかった。
そんな日が長く続きすぎたから、今こんなにもつまらなく感じてしまうのかな。
ただ起きてご飯を食べて学校へ行って…
家に帰ってご飯を食べて寝る…
その単調な繰り返しの中を今までどうやって過ごしてきたんだろう。
もう先生と出会う前の日々を思い出せなくなってる。
先生と過ごした楽しい時間が自分を苦しめるなんて思ってもみなかったけど、後悔はしていない。
だってあの時は純粋に幸せだったから。
忘れなきゃとは思うのに、一向に忘れられない。
気付くと先生のことを考えてしまっている。
『恋を忘れる方法』なんてネットで検索してみるけど、出てきたサイトを開こうともしない。
忘れなきゃいけないのに、忘れたくない。
…そう思うのはおかしいことでしょうか。