【完】ちょいワル先生と優等生


「もう、倫哉ったら心配性なのよ」

「え…え?」





私は頭がついて行かなくて、間の抜けた返事しか出てこない。





「ゆずの様子が変だから聞いてきてくれって言うの。
人使いが荒いと思わない?」





先生がそんなことを?



でも何で…先生が好きなのは茜ちゃんなんじゃないの?





「それまでもずっと電話で相談されてたの」

「先生が私のこと?」

「そうよ」

「先生が好きなのって…」

「ゆずだよ?」





嘘だ、信じられない…


だって、茜ちゃんとの電話で言ってたあの言葉は…?





「ゆずのことが可愛くてどうしようもないくらい好きなんだーって口を開けばそればっかり…って、どうしたの?」





あれは…私に向けた言葉だったの!?




どうしよう、嬉しい。



にやけが止まらないくらい嬉しい。




先生、私のことそんなに想ってくれてたんだ…



今すぐ会いたい。



先生に、会いたい。


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