【完】ちょいワル先生と優等生
「くれる?」
「どうぞ…」
お母さんにもラッピングを見てもらったから変な形にはなってないはず。
…大丈夫。
前に先生がマシュマロをくれた時、マシュマロ専門店のって言ってるのを思い出して実は先生はお菓子とかスイーツとか好きなんじゃないかって、甘党なんじゃないかって予測を立てた。
だから甘さは控えめにはしないで、そのままストレートに甘さが伝わるように作った。
「わぁ…ありがとう!
開けていい?」
開けていいかと尋ねながら包装を解いていく。
「美味しそう…」
でも、きっとこんなのは先生がもらったチョコレートの中でも低レベルの出来だと思う。
普段、料理なんかしないし、これだってレシピサイトに載ってたものを使わせてもらっただけだし…
それにね、私知ってるの。
先生がなんだかんだ言って女の子から人気があること。
先生に好意を寄せた子が何人もいるってこと、私知ってる。
その子たちが先生にチョコレートを渡さないはずがない。
きっと料理も上手でお菓子作りも得意な子とかいっぱいいる。
「きっと先生がもらった中で一番不出来ですよ」
私がそういうと先生は不思議そうな顔をする。
「俺ね、他の子からもらってないよ」
「え?」
その返しが予想外すぎて頭が追いついていかない。
そんな私をよそに先生は席を立って、私のそばまで歩いてくる。