【完】ちょいワル先生と優等生


「ゆずちゃんの以外ほしくなかったから全部断っちゃった」





…今とても複雑な思いで胸がいっぱい。



断るなんて、相手の女の子が可哀そう…


そう思うのに


ただ単純にうれしいと思う気持ちが入り混じっている。



他の子とは違う特別扱い。


それがこんなにも私の胸に強く響く。





「俺はね、ゆずちゃんが俺のためだけに作ってくれたやつがほしいの」

「先生…のためだけに作りました」





友達はクッキーにした。


チョコレートは先生だけ。


私の本命チョコレート。





「ゆずちゃんは本当に可愛いね」





そう言って私のおでこにチュッとキスをする。



そして





「自慢の彼女だよ」





なんて小さく囁かれたら頭が働かなくなるほどポーっとしてしまう。



こうやって先生はいつも私の心を掴む。がっしりと掴まれるんだ。

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