【完】ちょいワル先生と優等生
「いただきます」
気付くと自分の席に戻ってチョコレートを一つ口に入れる先生。
…美味しいかな。美味しくなかったらどうしよう。
ただそのことだけが頭の中を埋めつくす。
「うん、美味しい!」
その一言でぱっと緊張が解ける。
良かった…
そう思ったのもつかの間
「でも、甘さが足りないな」
嘘でしょ?
結構甘いはずだよ。先生はきっと甘いほうが好きだ!って自分が思うより甘くしたつもりだもん。
なのに、足りなかったんだ…どうしよう。
砂糖?いや、ジャリジャリするな…
…どうしようもない。そのまま食べてもらうしか。
「ゆずちゃんが付け足してよ」
「でも今更どうすることも…」
「ゆずちゃんが甘いことして。俺に」
「は?」
ふふんって得意げに笑ってるけど意味不明だから。
「倫哉大好き、愛してる~とか」
「はぁ…」
「あーんして食べさせてくれるとか」
「あ…あー…ん…?」
「ゆずちゃんがしてくれたらもっと美味しく食べられるのになぁ…」
できれば美味しく食べてもらいたい。
そんなの作った本人なんだから思って当然。
だけど……
恥ずかしすぎる…!
私にはハードルが高い…!!