好きだよ。
「よしっ」

気合いを入れてトイレを出る。

「え…。」

ポーチを落としそうになる。

だって。

山田君が佐々木さんと一緒に歩いてるんだもん。

あぁ、楽しそうだな。

山田君すごい笑顔だな。

見たこと…ないな。

もう…勝てっこないや。


ポロっと

一筋の涙が私の頬をつたう。

佐々木…心さんだっけ。

すごい可愛い子だな。

あれは勝てる気しないよ。

勝てるっていうか私は勇気もなくて

勝負すらできてないけど…。

もう諦めるべきなのかな。

せっかく…好きになったんだけどな…。


「咲!!」

「あ、智美…」

こんな時に来てるなんて…本当に優しいな。

私は軽く涙を拭いて

「どうしたの?教室もどろ!」

と、笑顔を向けた。

「咲…。私はあんたの方が可愛いと思うよ」

と謎に褒めてくれた智美に対して

「分かんないけどありがとっ」

と伝え教室に戻った。
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