好きだよ。
好きだったよ。
あの光景を目にした日から私は全く山田君とも連絡を取らないし、目も合わせないようにした。

だって絶対に『好き』っていう気持ちが戻ってくるから。


最近はよく、呼び出しが多くて…。

『好きです!付き合ってください!」

っていう勇気のあるセリフを聞く。

その勇気がとても羨ましい。

その勇気にとても憧れて。

いつもいつも申し訳なくなる。

なんで急にモテ期がきたのか分からないけど

たまに見てしまう山田君はいつも不機嫌なんだ。

山田君は最近佐々木さんともいないらしくて

ほかに本命ができたのか?みたいな噂もある



「ちょっと咲?聞いてる?」

「あ、ごめんね」

またぼーっとしてた。最近よくあるなぁ。

智美と話していたら。

「宮本さん」

呼ばれた方をみると

「きゃー!」

「カッコいい〜!」

と女子の黄色い声援を送られている人。

えっと…誰⁇

私がポカンとしてるのに気づいたのか、智美が

「あの人、2年のサッカー部で。山田君と互角にモテてる人。」

って教えてくれた。

「あっ、はい」

って返事をすると

にこりと笑って

「ちょっと来てくれる?」

と私に問いかけてきた。

行ってもいいかな?っと思っていると

智美は私を押した。

「あ、はい」

行ってくるね、と智美に伝えて教室を出た
< 9 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop