八百比丘尼と新選組-800歳の少女-
こいつら強いとは思ってたけどこれほど強いなんて。




「おい女」




「はいっ!?」




たしか…土方さん、と呼ばれていたかな。




「あのっ…本当に助かりました。ありがとうござ…」




お礼を言っていると、言葉を遮られる。




「…お前、よくやった」




「…はい?」




何で褒められているのか分からない。




「この人達は厄介な不逞浪士だったんですよ!」




「…あぁ、なるほど」




私は悪くいえばこの男達の餌のようなものか。




まぁ助けてもらって役に立てたのならいいか。




「では私はこれで。本当にありがとうございました」




深々とお辞儀し、今日は家に帰ることにした。




「ねーちゃん次は気を付けろよー!」




「はーい」




アホな人に手を振られ、私は振り返した。




怖かったけど、いい人だったな。
< 16 / 56 >

この作品をシェア

pagetop