八百比丘尼と新選組-800歳の少女-
「んー!おいしいー!」




私はお肉を頬張る。




だけど…




「…父さんは食べないの?」




床でずっと、地面を見つめている父さんを見る。




「………父さん?」




「ん?!」




ハッとして私を見つめ返してきた。




「だから、父さんもお肉。食べないの?」




「…あぁ、俺はいいよ。腹が空いてねぇ」




「…そう?」




私は引き続き、お肉を口に運んだ。




この時、気づけばよかった。




父さんの瞳が、罪悪感に満ちていることに。
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