八百比丘尼と新選組-800歳の少女-
会話が途切れて、どれくらい経っただろう。




部屋から出た3人の気配は感じられない。




もう帰ったのかもしれない。




すると、長かった沈黙が破られた。




「……お前、初めて見た時から寂しそうな顔してたんだよ」




「…そんな顔、してるはずないじゃないですか」




自分の頬にそっと触れる。




「冗談じゃねぇよ。あとは強い。そんだけだ」




土方さんはニッ、と笑い、力強く言った。




おそらく、この人は嘘がつけないんだろう。




言動すべてが自信に満ち溢れて堂々としている。




「………もしも何かあっても、ずっと信じていてくれますか?」




私は何バカバカしいことを言ったんだ。




言葉を口にしたあと、すぐにそう思う。




だけど、不思議と後悔はしなかった。
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