八百比丘尼と新選組-800歳の少女-
そんなある日、私は不思議な話を耳にした。




人魚の肉を食べると歳をとらない、とのことだ。




私はすぐそばに置いていた手鏡を覗き、頬をつねったり、さすったり…。




「……私…なわけないよねー…」




まさかね。




そんな馬鹿馬鹿しい話があるわけない。





それはそうと…




「父さん、調子はどう?」




もうすぐ90近くになる父さん。




とにかく中身が元気。




「おー!元気元気だ……ゴホッ…ゴホ…っ」




父さんは苦しそうに咳き込んだ。




「大丈夫?」




私は慌てて駆け寄り、背中をさすった。




「ゴホっ、だ、大丈夫だ。心配ない」




「もー…体大事にしてね。中身だけは元気なんだから」




「おーおー…すまんな」




そこで、私は異変を感じた。
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