八百比丘尼と新選組-800歳の少女-
屯所案内をしてもらっていると、稽古に勤しむ男の人をたくさん見かけた。




チラリと何度か見られて、ヒソヒソと話されてたけど気にしないふりをした。




…あの人たちの目には、私はどう写っているのだろうか。




「…土方さん」




「気にするな、ただの戯言だ」




土方さんは私に見向きもせずはっきりと言いきった。




そう言われてもねー…。




まぁ、いっか。




「今日からここがお前の…」




縁側の突きあたりに差し掛かり、土方さんがそこまで言った時。




「都!」




「都さん!」




聞いたことのある騒がしい声で呼ばれ、一瞬固まる。




声の主は先に屯所に帰ってきていた原田さん、総司さんだった。




「………と、土方さぁぁん…」




「俺はこいつのオマケか?」




総司さんは土方さんを見ると露骨に変な顔をした。
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