八百比丘尼と新選組-800歳の少女-
「都さん、早速手合わせしましょうよ!」




えー…面倒。




普段はそう思ってることだろうけど、仲間なんて言ってもらったんだし…。




「はい!やりましょう!」




「俺が手合わせしようぜって言ったら嫌がった女はどこのどいつだ」




土方さんはそう言いながらも少しだけ微笑んだ。




…だってあなたしつこかったんだもの。




そう思っているうちに総司は私の手を引っ張る。




手に持っていた刀を左之に預け、縁側を二人でパタパタと走る。




「僕、都さんでも容赦しませんからね」




「…望むところです!」




しかし私は知らない。




自分が木刀を扱えないことに。
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