八百比丘尼と新選組-800歳の少女-
「きったな…」




ゴチャゴチャに散らかりきった父さんの部屋を見て、悲しいなんて感情は吹っ飛ぶ。




信っじらんない……。




こりゃもう徹底的に掃除するしかない…!




足元に転がっているすごくどうでも良さそうな置物やすごく大切そうな書物を拾い上げ、整理していく。




そして棚を整理していた時のこと。




カサッ




何か白い紙を見つけ、首を傾げる。




なんだろ…?




そう思い、折りたたまれた紙をゆっくりと開く。




「……私に?」




その紙の1行目には、『都へ』と、たしかに私の名前が書かれていた。




どうやら手紙のようだ。
< 8 / 56 >

この作品をシェア

pagetop