君の指先が囁いてる
診察室に入ると懐かしい匂いがした


良く母ちゃんと来たもんだ


けど今日は母ちゃんは居ない


茜と一緒に来た



『翼じゃないか、久しぶりだな元気だったか?』


聞こえない俺


茜が通訳を始めた


『先生、初めまして、私は翼と結婚した妻の茜です。翼、今は聞こえません、なので私が通訳します』


そして、茜は子供が欲しい事を話した


『先生、私、子供が欲しいんです』


『わかりました』

翼は検査を受ける事になった


採血して結果を待つ

採血が終わると今度は産婦人科


産婦人科では翼の精子検査



精子を採取する容器を渡された


翼、嫌がらないかな?

案内された部屋に行くとエロビとエロ本が置いてある(汗)

けど翼には....


必要ない


だってエロ本もエロビも見えないから


看護婦さん...


酷いよ....(泣)


見えない、聞こえない翼には、この部屋は意味が無い



私は精子を採取する事を翼に伝えた


翼は嫌がらず了解してくれた


ようは、一人エッチをして精子を採取する

私は部屋を出て待つ

終わったら翼がドアを叩く

ドアの側で座り込み待った


終わった....


次は私の番だ


私は過去に妊娠した事がある



翼と出逢う前の彼の子供


流産してしまった


翼には話してない





< 63 / 91 >

この作品をシェア

pagetop