君の指先が囁いてる
翼の指先に触れて医師から伝えられた事を説明した


下に向いたまま、黙り込む翼


私は翼の指先に触れて『帰ろう』


私と翼は帰る事にした


茜、ごめんな....

君は俺で良いのか?

離婚すれば君は子供が授かる事は可能なんだよな....


俺が原因で我が子を抱かせる事も出来ないなんて....


帰りのタクシーの中で茜が俺の指先に触れた


『翼、愛してる....
ずっと一緒だよ』


俺の心は君の指先で動いた


『茜、やれる事は挑戦しよう』


『うん翼、頑張ろう』

俺は君に何度も救われた


数えきれないほど救われた


暗闇から救い出してくれた人形姫


やはり君は俺の人形姫




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