天音's短編小説集
幼なじみ 2
『ほんとはずっと、』
「湊!!あんたまた学校サボったでしょ!」
部屋の扉を開けるやいなや寧々の叫び声が響く。
ベッドに横になっていた港の怪訝そうな顔。
「うるせー、おせっかい女」
「はあ!?なにその言い方!湊のくせに!」
いつもの言いあい。
日常茶飯事。
「人の事とやかく言う前に、お前はいい加減俺につっかかってくるのやめろよ」
「なんで」
「俺らもう高校生だろうが」
ムッとした表情を浮かべるのは寧々。
「だから何。高校生になったら話したらだめなの?」
「そうじゃなくて。…他に好きな奴とかできてねぇのかよ」
「は!?好きな奴ってなに!?バカ湊!!!」
―――ずっと一緒って言ったくせに。
いつまで側にいてくれるつもりなんだよ…――――――
二つの伝わらない想い。
素直になれない、年頃の二人。