天音's短編小説集
『頑張ってる君が好き』
「はぁーーー」
今日も今日とて仕事のミスをこうしてお酒で洗い流す。
社会人6年目。
新人としてちやほやされていた時期はとうに過ぎて責任やら重圧やらのしかかって来る今日この頃。
いい加減逃げ出したいと、こうしてこのバーにやって来ては弱音を吐き出す。
「今日も大分お疲れのようですね」
いつも話を聞いてくれるのは、このバーのバーテンダーの陽介さん。
その名の通り、明るく太陽のような人。
「そんなこともできないのか!前も言っただろ!お前はもう新人じゃないんだぞ!」
「はは、上司の真似ですか?」
「…そう。自分が情けなくて…」
ぐだっとうつ伏せ項垂れる。
ああ。
本当ならこんな姿見せたくなんてないのに。
もっと、バリバリと仕事をこなすカッコいい女性を見せたかったのに。
お酒が入るとこうなんだから、救いようがない。