天音's短編小説集
『ずっと一緒』
「ネネちゃん、みーくんとけっこんする!」
「ネネはボクがしあわせにしてあげるね」
幼い頃の小さな約束。
「しあわせってどーするの?」
「んっとね、よいしょっ。こうやって」
短い手で寧々の身体を抱きしめる。
「ぎゅーってしてこういうんだ」
「ぎゅーっ」
「おまえはおれのものだ」
そう言って目をぎゅっと瞑ってチュッとした。
前日の夜、テレビでやってた。
男の人が女の人にこうやってやってるとこ。
「おれのものってなぁに?」
「ずっといっしょってことだよ」
それは、とけない魔法の言葉。