甘すぎてずるいキミの溺愛。
「しばらくこのままでいさせてよ」
そう言うと、わたしを抱きしめたまま眠りに落ちてしまった。
スゥスゥと、一瞬で眠ってしまったものだからびっくり。
「うそ……もう寝ちゃった?」
まあ、そりゃそうか。
一応、病人だもんね。
さっきまで元気そうにしてたけど、熱あったみたいだし。
それから数時間、ドキドキと戦いながら尊くんの腕の中で過ごした。
いつまでたっても、こうやって触れられたり、抱きしめられたりしたら、心臓はうるさく音を立てる。
こんなにお互いの距離が近くて、音が聞かれないか心配していた。
だけど、どうやら相当疲れていたのか、風邪のせいなのか尊くんは夜まで起きなかった。
そして、尊くんが起きてから、わたしのバニラアイスがぐちゃぐちゃに溶けていたことは言うまでもない。