甘すぎてずるいキミの溺愛。
「一度行ってみたかった場所だから」
「どこに行くの?」
「内緒」
やっぱり到着するまで内緒は変わらないみたい。
***
そしてようやく目的の駅に到着した。
駅の改札を出ると真っ先に飛び込んできた景色。
「うわぁ、海だ!!」
え、まさか行きたかった場所って海?
でも海に入るにはまだ少し寒いんじゃ?
「ほら、行くよ」
そのまま海には入らず、海沿いをひたすら歩く。
「ねぇ尊くん?」
「ん、なに?」
「海に遊びに来たんじゃないの?」
「違う。海に用はない」
どうやら海以外に何か目的があるらしい。海でも十分デートっぽい感じするんだけどなぁ。
「着いた」
「ん??ここって」
「入るよ」
見るからに尊くんには似合わないメルヘンな建物。
だけど、お構いなしにその中に入っていくもんだからそのあとに続く。