甘すぎてずるいキミの溺愛。
ただ、尊くんはわたしにイジワルするのが好きなだけで、困らせるのが好きなだけ。
わたしのことなんかこれっぽちも好きなんかじゃない。
放課後……ふたりっきりの空間でわたしは尊くんのもの。
だけど、尊くんはわたしのものにはなってくれない。
「み、こと……くん」
「ん、どーしたの?」
「く、くすぐったいの…っ」
「へー、そう」
身体をよじって、くすぐったさを訴えるけど聞いてもらえない。
「……そんな声出してると外に聞こえるよ?」
「み、尊くんのせい…だもん…」
「いちいち反応する千湖の身体が悪いんじゃなくて?」
「なっ……、」
いつかこの余裕な表情を崩してやりたいって思うのに…
崩せたことなんか一度もない。