甘すぎてずるいキミの溺愛。



「……その手離してくれない?」


突然のことだった。

声の主の方に、振り向く隙もなく。
三宅くんに掴まれていた手を、離されて。

声の主に引き寄せられた。


「この子、僕のなんだけど。簡単に触んないでくれない?」


後ろから、身体を覆うように抱きしめて、耳元でそんな声が聞こえる。


もうやだ……。こうやって、抱きしめられて、そんな誤解させるようなこと言って。


なんで、こんなことするの……?


ほんと、わけわかんないよ━━━


尊くん……。


顔を見なくても、わかってしまうのがバカみたいで、悔しい。

きっと、それだけわたしが尊くんのことでいっぱいなんだ……。


「え、ふたりって付き合ってるの?」


驚いた顔をしながら、三宅くんがわたしたちに問いかける。

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