甘すぎてずるいキミの溺愛。
ただ、わたしが一方的に尊くんのことを好きなだけ……。
きっとわたしがここに来なかったら尊くんと一緒に過ごせる時間なんて全然ない。
ここの部屋の存在を知ってるのはわたしだけ……。
わたしだけが放課後、唯一尊くんを独占できる時間。
好きな人と少しでも一緒にいたいと思う。だからわたしはこうして放課後、尊くんに会いに秘密の部屋にやってきている。
「……尊くんのバカ」
知ってるくせに……。
わたしの気持ちが尊くんに向いてるってこと、尊くんしか見えてないってことくらい……。
こんなに誰よりも近くにいるのに、尊くんはわたしの方に振り向いてくれない。
わたしを特別になんかしてくれない。
だったら、そんな尊くんから離れてしまえばいいのに……。
そうすれば、こんな気持ちにならずに済むのに……。
いつも、そう考えるのに……
わたしは尊くんから離れられない……。