甘すぎてずるいキミの溺愛。



「わ、わかんないのは尊くんのほうでしょ……っ。

わたしの気持ち知ってるくせに、そうやって誤解させるようなことばっかり言って……。好きでもないのに、そんな風に自分のものみたいな勝手なこと言わないでよ……っ」


気づいたら、ムキになって、瞳に溜まった涙が頬を伝っていた。


「わたしがどんな気持ちで尊くんのそばにいると思ってるの……っ?」


言うつもりなんか、なかった。

こんな風に言ってしまえば、尊くんとの今の関係は確実に終わる。


終わってしまえば、もう尊くんのそばにいることもできなくなるのに。


「わたしは、こんなに尊くんでいっぱいなのに……っ」


もう、それ以上言っちゃいけない。


聞いちゃいけない、踏み込んではいけないのに。

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