甘すぎてずるいキミの溺愛。
夏の夜に知った真実。



「なーんでそんな不服そうな顔してんの?」


「なんでよりにもよって、ペアが戸松くんなの……」


真っ暗の学校のグラウンドで落ち込み中のわたし。


今頃家に帰ってテレビを見ているはずの時間になぜ学校にいるかって?


それは、夜の学校で肝試しをするため。

完全にふざけてる。
なんでこんなくだらないことを学年でやるかな。


グラウンドに集合している生徒のほとんどはなぜか楽しそう。


男子たちは騒いでいて、女子たちは楽しそうにしている子もいれば、おびえて今にも泣き出しそうな子もいる。


この肝試しは男女二人組のペアなんだけど、くじでペアを決めた結果、戸松くんになってしまった。
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