甘すぎてずるいキミの溺愛。



尊くんを想う気持ちは、そう簡単には消えてくれない。


きっと、あの2人で出かけた日。

美郷さんとさえ、出会っていなければ……。


あんな尊くんの顔見たくなかった。
わたしには一度だって見せたことのない顔をするんだから……。


普段、表情からは何一つ読み取れない、読み取らせてもくれないくせに。


美郷さんと会った時の尊くんの表情は明らかにいつもとは違っていた。

鈍感なわたしでもわかるくらい。



もともと、わたしと尊くんの関係は中途半端すぎた。


わたしも悪いところはあった。
こんな中途半端なことをやめて、はっきり気持ちを伝えてしまえばいいのに。

それができなかった。

< 146 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop