甘すぎてずるいキミの溺愛。



「うわー結構暗いね」

「……そ、そうだね」


長い真っ暗な先の見えない廊下。


正直、肝試しなんか自分はいけるほうだと思っていたのに、いざ暗闇を目の前にすると足が前に進まないというか。


「あれー、もしかして千湖ちゃん怖いとか?」


「べ、別に怖くないし!!」


「これも怖くない?」

「へ……ぎゃぁぁぁ!!」


戸松くんのほうを見たら自分の顔にライトをあてていた。


まだ何も起こっていないのに盛大な叫びをあげてしまった。


「ははっ、人の顔見てそんな叫ぶとか失礼すぎ」


「そんな顔見せられたら誰でも叫ぶから!!」


しょっぱなからこんなんでこの先大丈夫なんだろうか。

< 149 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop