甘すぎてずるいキミの溺愛。
「うわー結構暗いね」
「……そ、そうだね」
長い真っ暗な先の見えない廊下。
正直、肝試しなんか自分はいけるほうだと思っていたのに、いざ暗闇を目の前にすると足が前に進まないというか。
「あれー、もしかして千湖ちゃん怖いとか?」
「べ、別に怖くないし!!」
「これも怖くない?」
「へ……ぎゃぁぁぁ!!」
戸松くんのほうを見たら自分の顔にライトをあてていた。
まだ何も起こっていないのに盛大な叫びをあげてしまった。
「ははっ、人の顔見てそんな叫ぶとか失礼すぎ」
「そんな顔見せられたら誰でも叫ぶから!!」
しょっぱなからこんなんでこの先大丈夫なんだろうか。