甘すぎてずるいキミの溺愛。
一応、離れると怖いから戸松くんの片腕をギュッと掴む。
「結構かわいいとこあんだねー」
「は?」
「そうやって抱きついてくるとことか」
「これは抱きついてるんじゃなくて盾にしてるんですが」
「うわー、ひどいね」
「い、いいから早く進んでよ」
こうして無事に実験室を抜けることができた。
特に何も起こらなくておびえてた自分がバカみたい。
「結局なんも起こんないねー」
「起こらない方がいいもん」
「俺的には千湖ちゃんがびっくりして腰抜かして欲しいなーって思ってるよ?」
「悪魔……」
やっぱり戸松くんは悪魔だ。
そのまま先に進んで、軽く驚かされる場面もあったけどなんとか乗り越えた。
そう、このままいけばゴールだったのに。
まさかのまさか。